月の恋人
答えの出ないまま
窓越しに、外を見ると
強烈な陽射しが
行き交う人々を照らし出して、地面に濃い影を作っていた。
(…人が、多いなぁ)
駅前の繁華街は
夏休み中の中学生や高校生で溢れかえっていた。
―――その中に
燦然と輝く金色が、ひとつ。
強烈に、あたしの視線を奪って行った。
「…………え?」
あの金髪は…………
「………翔くんっ!?」
思わず立ち上がって叫んだあたしを、
トイレから戻ってきた亜美がびっくりした顔で見詰めていた。
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