月の恋人




『子猫ちゃん、はっけーん☆』



「……っきゃ……!!」







突然、頭の上から降ってきた声と共に、かぶっていた帽子を取られた。


はらりと舞う髪




――ピュウッ、という誰かの口笛がコンクリートに反響する。






「やったー!美少女!ラッキー☆ 君、名前は?」



――…振り返って見たそこには

軽薄なセリフとは裏腹に

身長180はあろうかという大男が、あたしを見下ろしていた。








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