月の恋人
家に帰ると、ソファに陽菜が横たわっていた。
「…こんなとこで、寝てんなよ…」
無防備な寝顔
キャミソールの肩紐が心許ない。
いけない、止めろと心の声が響くけど、視線が下に降りていくのを止められない。
丸みを帯びた胸
コットンのスカートから出た白い足
――…触れたい…
ダメだって
――…キス、したい…
ヤメロって
……オイ!俺!!
天使と悪魔の声ってのは
本当にあるんだと思う。
でも
俺の中のささやかな良心は
陽菜の罪な寝言で
一瞬にして消し去られた。
「……しょう、くん…」