月の恋人
――… あたしは、何を間違えた?
何か――…
何かが、違う。
ずっと、心の中に違和感があった。
何か……
そう。
大切なものを見落としているような。
それが、何なのか
どうして、そう感じるのか
――… 答えは …
「…… りょう ?」
リビングの扉は、開いていた。
そっと足を踏み入れると
涼が、ソファに横たわっていた。
涼と話せば…わかる?
突然、涼と翔くんが険悪になったのも
翔くんが、あたしにキスをしたのも
涼が、最近怒りっぽいのも
どうして、こうなってしまったのかが。
「―… ねぇ、涼 …」
そう言って触れた瞬間、
涼の肩が、ビクッと震えた。