月の恋人
ジワジワジワジワ・・・・・
朝7時。
力強い
クマ蝉の声が
窓を震わせている。
学校では
期末テストも終わり
あとは、夏休みを待つばかりだった。
ダイニングで
いつものように朝食を食べていると、
パパが
おもむろに
その相談を持ち掛けてきた。
「陽菜、夏休みは、何か予定あるのか?」
「え、うーん……亜美と遊ぶくらいで、特に何もないよ?」
「そうか……いや、あのな、実は…」
その後パパから告げられた事実は
あたしの夏休みから
平和を奪っていくには
充分すぎるほどの
こと、だった。