月の恋人






“汚いものは、綺麗なものに対して、憧れるか、憎むかしかできない。”


昔読んだ小説か何かにそう書いてあった。




その言葉通り

俺の心の中には、常に

陽菜ちゃんに対する憧れと、嫉妬が、混在していた。




『陽菜ちゃんが習うなら、翔も』

と、5歳の時に無理矢理連れて行かれたピアノ教室。



ここで、音楽に触れたことが、俺の人生を大きく変えるターニングポイントになった。







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