月の恋人
―――… こんなこと、されたら。
あたし、翔くんのこと
本気で好きになっちゃうよ。
今までだって好きだったけど、もっと、もっと――…
ねえ、 どうして?
どうして、こんなことするの?
あたし、どうしたらいいの?
しばらくあたしの髪に顔を埋めていた翔くんが、言葉を確かめるように、ゆっくりあたしに言った。
「―――… 陽菜ちゃん」
「――… うん」
「ずっと、俺の、そばに――… いて。」
「――…翔くん…」