月の恋人








「すっげ…… なんだ、このハーモニー…」



翔くんとあたしの『マイウェイ』を聴いてしばらくした後、ジョージさんが小さく驚嘆の声を上げた。



「…やっぱ、血縁関係あるってスゴイな。双子みたいなシンクロ具合だもんな。」

「だろ!?この、色だろ!この、空気感じゃね?!Another(アナザー)にはさ!」


三人は、途端に興奮してあーでもない、こーでもないと、あたしの分からない話をし出した。


そんな中、ジョージさんが、あたしがずっと心に引っ掛かっていたあの名前を……出した。




「いや… 良いよ、良いね、陽菜ちゃん。オレは別に鹿島さんでも良いって思ってたけど、透明感が違うよなぁ。」





―――…“鹿島さん”…?






「あ… 鹿島さん、って、こないだの…?」




――…“鹿島さんも良かったけど”…?






一体、どういう、ことなんだろう―…





“鹿島さん”は、翔くんの、彼女じゃ……ないの?






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