月の恋人















――…恐れていた事が、現実になった。














「………翔っ!!!」


「…………あ。」



バチン、と音を立ててアコースティックギターの弦が切れた。




「痛っ―――…」





左の頬に鮮烈な痛みが走る。


思わず当てた手に、ぬるりと生暖かいものを感じた。











――――…赤い、血。













俺にも確かに同じ血が流れているのに




―――…どうして、敵わないんだ…?













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