月の恋人





「陽菜?」
 

「陽菜ちゃん?」




ママと翔くんが、同時に異変に気付いたけど

あたしは、まだ、自分の身に起きていることを理解していなかった。





「(いってらっしゃい、気をつけて…あれ…)」





「あんた…どうしたの……」


「陽…菜……ちゃん…?」



翔くんが、こくんと息を呑んだ。






――…あたしの中で 何かが、壊れ始めていた。







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