月の恋人
「腹の底からの、信頼関係―…」
「そうじゃ、そいつらは、お前さんの“仲間”じゃろうが。」
「翔―…」
タケルもジョージも、ちょっと怒ったような、納得いかないような表情をしていた。
「俺らって、そんなに頼りないわけ?」
ジョージが節くれ立った手で、ボサボサの頭をかきながら言う。
「頼りないっつーか…結局、信用してないんだろ?」
冷たい口調で視線を外すタケル。
「―――…違う。」
「それとも、フェスなんてもうどうでもいいとか。」
「―――…違う。」
「ああ、陽菜ちゃんに振られた―…とか?」
「――――…っ!」
「………… え?」
俺を挑発して言葉を引き出そうとしたんだろうが、
思わぬところで反応が返って来ず、調子を崩したのはタケルの方だった。