月の恋人
◆
あたし、この夏を
たぶん、一生、忘れない。
わからないことだらけで
辛くて、苦しくて
悩んで、悩んで、悩んで
真っ暗な闇のなかで
迷って、泣いて、もがいて
けれど
必死で一歩を踏み出して
やがて掴んだ
朝焼けの、光。
どこまでも温かくて
終わりなんてなくて
新しい世界が広がっていく。
それは
あたしが、はじめて
自分の手で掴み取った
14歳の夏の勲章――…
いつも、ここからはじめよう。
躓いたら
ここに、戻ってやり直そう。
再生と希望の 光降る、夏の朝。
翔くんと2人並んで
みんなと一緒に踏み出した
今までとは違うステージの、第一歩。
ここが、あたしたちの
新しい、心のふるさとになる
未完成のまま【完】