月の恋人
その
あたしの返事に
いくらか、
びっくりしたのか
あたしがそう言った瞬間
お皿に手を伸ばそうとした
翔くんの動きが
ピタッと止まる。
「……………………。」
初めて外国語を耳にした時のような、
まるきり訳のわからない
不可解なものを見るように
翔くんが、あたしを
しげしげと見つめる。
……あたし何かまた変なこと言っちゃったのかなぁ……
穴が空くほど見つめられて
急に、恥ずかしさが襲ってきた。