月の恋人
………正直
昨夜は、よく眠れなかったんだ。
密着した
翔くんの身体の感覚が
妙に自分の肌に残ってて
思い出しては、赤くなって
ドキドキ、して
ベッドで何度も寝返りを打って…一体、何時に寝たんだろう、あたし。
なんだか、すっかり宿題をやる気が失せてしまった。
「…誰のせいだと………え?!」
ぷにっ。
顔を上げたあたしの頬っぺたを
翔くんが、つまんでた。
「ちょっ、やい、ふんの!(なに、すんの!)」
「あははは!陽菜ちゃん、へんな顔ーーー!…いや、柔らかそーだなーと思って。」
悪気のない、笑顔。
ああもう、なにしてくれるのよ……
「…もう…翔くんのバカっっ!!」
頬っぺたが、熱い。