teenager
そんな沈黙を破ったのは千尋君だった。
「‥ごめん」
そう言ってあたしの上から降りて、ドアに向かって歩いていく。
‥待って、行かないで
そう、心が叫ぶ。
心が叫んだときにはもう遅かった。
声にだしていたのだ。
「‥待って。」
「なんで?」
即答する千尋君。
考えるあたし。
‥なんで。なんで?
なんであたしは止めたの?
わからないけど行ってほしくなかった。
あたしの前から消える気がして‥‥。
「嫌‥‥じゃない‥から。」
あたしはこんなことを言うために口を開いたんじゃない。
でも、これが本音。