teenager
 
それから流れるように、千尋君との時間は過ぎていった。

デートもたくさんしたし、キスもたくさんした。

たまにケンカもしたけど、そのたびに仲直りもしたね。


嬉しい

楽しい

淋しい

悲しい

恋しい‥

忘れかけていた気持ちがよみがえる‥。


もう、掛け替えのない存在になっていた。

大切すぎて、嫌われるのが怖くて‥あたしは嫌われないようにがんばった。

そのおかげでメイクは上手になったし、みんなから「笑顔が増えてよくなった」と褒められるようになった。


褒められることは嫌いじゃない。
むしろ好き。

だけど、この人たちに褒められたいわけじゃない。


‥千尋君だけだった。

 
< 12 / 25 >

この作品をシェア

pagetop