teenager
それから流れるように、千尋君との時間は過ぎていった。
デートもたくさんしたし、キスもたくさんした。
たまにケンカもしたけど、そのたびに仲直りもしたね。
嬉しい
楽しい
淋しい
悲しい
恋しい‥
忘れかけていた気持ちがよみがえる‥。
もう、掛け替えのない存在になっていた。
大切すぎて、嫌われるのが怖くて‥あたしは嫌われないようにがんばった。
そのおかげでメイクは上手になったし、みんなから「笑顔が増えてよくなった」と褒められるようになった。
褒められることは嫌いじゃない。
むしろ好き。
だけど、この人たちに褒められたいわけじゃない。
‥千尋君だけだった。