teenager
 
ドアを強く叩いて、教室に一歩足を入れた。

「えっ?何‥」

顔を出すと、千尋君の顔色が変わった。


「‥愛」

目を見開いて、あたしを見る。

ああ‥、この声好きなんだよなあ‥。

「‥‥‥千尋君」

意を決して口を開いた。

「光とうまくいってね‥」

少しだけ涙が落ちた。

‥でも、最後の最後は笑顔を作った。

もう、ここにはいれない。


教室を出て、無我夢中に走った。

「はあっ‥はあっ‥」

しんどいのもわからなくなる。

脳に酸素がいっていない気がする。


「千尋君‥っ‥‥‥ぅー‥‥」

階段の隅に隠れて、声を殺して泣いた。


ザアァァッ‥と、雨の音が聞こえる。

 

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