teenager
‥何度そう思ったことか。
何度光に手をかけようとしたことか。
‥臆病なあたしは、“そんなこと”を思うだけで何もできなかったんだ。
ずっとこんな自分が大嫌いだった。
“臆病”という言葉の部屋に閉じ込められて、出ることができない。
もう、どうすることも出来なかった。
そんなとき千尋君がそのドアを開けて、あたしを外の世界に連れ出してくれた。
あたしの周りの空気が変わった。
空を初めて見た気がした。
「‥‥すごい、きれい‥‥‥」
なにもかもが新鮮だった。
でも‥‥もう離れなきゃ。
いつまでも、永遠に好きでいたかった
まあ、千尋君が付き合ってくれただけでもすごいことだし嬉しく思わなきゃ。
そう言い聞かせて、心の中でさよならした‥。
「‥‥ばいばい」