teenager
 
耳からイヤホンを取り、校門をくぐる。

今は休み時間だったらしい。


「‥だよねー?」
「うんうん‥」

みんなあたしを見て、コソコソと話し出した。

「‥‥!」

一度睨むとそそくさと逃げて行く。

あたしはそのまま下駄箱に向かった。


下駄箱でスリッパに履き替えていると、誰かがあたしを呼ぶ声がした。

声がするほうを見ると、息を切らして走ってくる人がいた。

「愛っ!!」

「どした?」

泣き腫らした目であたしの腕を持ち、ゆっくり息をする。


「‥携帯は?」
「家‥だけど」

「なんでずっと持っとかないの!!?」

いきなり大声で怒られ、眉をひそめた。

「あ‥ゴメン‥。でも‥今から言うことちゃんと聞いてね‥?」


あたしは「うん」と頷き、次の言葉を待った。

 

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