不器用男子
 はっきりとそう言ってくれた千隼は、少し顔が赤い。

 私は樹里菜ちゃんには負けない。


 恋のライバルとして見させてもらうよ?



「あー、いたいた!! ひなみも木下も早く戻ってよね!!」

 優里が呼びに来た。


「ごめん! 今行くよ!!」

 2人で走って教室に戻った。








「はぁー、終わったねーっ!!」

「お疲れさまーっ!!」


 みんなの満足した声・疲れた声が飛び交う。


 解散した後、私は千隼に先に帰ってもらって樹里菜ちゃんのところに行った。



「樹里菜ちゃん。 ちょっといいかな?」

「…なんだ。先輩ですかぁ。」


 なんだって…私のほかに誰か来る予定だったの?


 それとも私なんて目にないのかな?



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