不器用男子
 あの、表札の?


 木下ってなるの?


 ていうか、千隼と同じ名字なんだけど?


「…旦那さんはどんなお仕事をなさってるんですか?」

 千隼が聞いていた。

「あぁ、なんかねー? 木下グル―「ちょっ!! 千隼の!?」

 木下グループ!?


 千隼のママって生きてますよね?


「千隼…? ママいる?」

「いるけど…?」

 …不倫とか…?

 マジないよね?


 私、千隼と兄弟とか嫌だよ!?


「えー!! ちょっと!! 千隼君って木下グループの息子さんなの!?」

「そうですよ?」

「誰かに似てるなーと思ってたのよ!!」

「…」

 千隼のパパに似てるの!?

 似てて当たり前か…。


「待ってて? もうすぐで帰ってくると思うから!! 夕食でも食べてまってましょ♪」

「いえ、お邪魔しちゃ悪いんで…そろそろ…。」

「そんなことないわよー!? ひなみ!! 帰ってきたら言うから、自分の部屋にいなさい? 荷物全部もう、整頓してあるから!!」


 そう言って、リビングから2人とも追い出された。

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