不器用男子
ママの指示された通りに廊下を行くと、『ひなみ』 と書いた文字がドアにかけられてる。
「私も初めて入るけど…ゆっくりしてってね?」
「…」
部屋の中は…豪華。
何畳あるのよ!?
「なんかごめんね?」
「何が? テンション高い母親だな。」
「う…、ていうか…私と千隼兄弟になるの?」
「しらね。」
なにか、隠してそうな千隼に気になりつつも、自分の部屋のほうが気になる。
ベッドに座るとふかふかで跳ね返りそう。
お姫様の部屋みたい…。
私には似合いそうにもない部屋。
しばらく、千隼と話しているとママが呼びに来た。
「帰ってきたわよ? リビングに来て頂戴?」
不安…。
千隼のパパは私たちが付き合ってること知らないよね…?
いたら、びっくりするかな?
怖いパパさんだったらどうしよう…ママは優しいって言ってたけど。
千隼は家飛び出してきたっていってたから…怖いかもしれないでしょ?