不器用男子

 ママの指示された通りに廊下を行くと、『ひなみ』 と書いた文字がドアにかけられてる。


「私も初めて入るけど…ゆっくりしてってね?」

「…」

 部屋の中は…豪華。


 何畳あるのよ!?


「なんかごめんね?」

「何が? テンション高い母親だな。」

「う…、ていうか…私と千隼兄弟になるの?」

「しらね。」


 なにか、隠してそうな千隼に気になりつつも、自分の部屋のほうが気になる。


 ベッドに座るとふかふかで跳ね返りそう。

 お姫様の部屋みたい…。


 私には似合いそうにもない部屋。



 しばらく、千隼と話しているとママが呼びに来た。


「帰ってきたわよ? リビングに来て頂戴?」


 不安…。


 千隼のパパは私たちが付き合ってること知らないよね…?

 いたら、びっくりするかな?

 怖いパパさんだったらどうしよう…ママは優しいって言ってたけど。


 千隼は家飛び出してきたっていってたから…怖いかもしれないでしょ?


< 121 / 244 >

この作品をシェア

pagetop