不器用男子
 大輔君の言葉に2人ともあんぐり…。


「してないよーっ!?」

「ひなみちゃん…顔真っ赤だよ?」

「ふぇ!?」


 凌君に笑われて急いで顔を隠す。


 だって…千隼と結婚なんて夢みたいじゃない!!


 いつかできたらいいなぁ…。


 千隼、プロポーズしてくれなさそう…。


 いい!! 私がしてやるんだから!!


「じゃぁ…ひなみちゃんが木下になったのもウソ?」

「え…? あっ、ホントだよ? ママが千隼のオジサンと再婚したの。」

「…なるほど…。」


 大輔君によると、私のおじさんがみんなにちゃんと説明しなかったみたいで私の名字が木下になったって言っただけらしい。


 それでも普通は私たちが結婚したなんて思わないよね…。



「ん…? この人…どちらさん?」

 13人の男子の中に一度も見たことない男の人。

「あっ、ひなみちゃん知らないよね!? …千隼も。」


「うん」


「結構前に…ひなみちゃんのお隣に新しい人が入るって言ったでしょ? その人!! ちょっと事故っちゃって、だいぶ予定より入るのが遅れたんだよ。」


 2年生の時に言ってた気がする。


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