不器用男子

第四章

千隼ファンクラブの恐ろしさ

　学校には、ママが連絡して私は名簿の中で木下になった。


　いつもどおりに学校へいっても、みんなは

「ひなみー」

「ひなみちゃん」


　って言うから、誰も私が木下になったなんて知らないと思う。


　寮の人をのぞいてね?



　ベルが鳴り、先生が教室に入ってきた。

「転校生が来てるぞーっ!!」


　その一声で上がるテンション。


　もちろん、みんなも。


「永沢　晶です!!」


　ひそひそと聞こえる声には　かっこいー　などと女子に人気のよう。


　ホームルームが終わると先生が呼んだ。


「木下―っ!!　ちょっと来い!!」


　千隼…?


　ん?　私かな!?


　木下はこのクラスで私と千隼だけ。


　どっちだって!?