不器用男子
 結局3人で校内をグルグルした。

「助かった!! これでもう迷わない!!」

 永沢君はウキウキしてる。


 放課後に案内したから生徒はあまり残っていない。

 残ってるのは、ギャルさんたちばがり…。


「ちっ、千隼…早く帰ろ?」

 体育館倉庫でのことがきっかけで派手なギャルさんたちには警戒心すごいです。


 廊下を千隼と歩いていると通ったクラスから女の子たちの声。


「1年の東内 樹里菜…あいつからもらった金で遊びにいかね?」

 樹里菜ちゃん…?

 お金?

「まさか、秋谷 ひなみをいじめるだけでこんなに金がもらえるとはねー?」

 わっ、私!?


 体育館倉庫でのこと?

 あれも、樹里菜ちゃんがしかけたことだったの…?


 樹里菜ちゃん…どこまですごい人なの…。


「1人10万だよ? めっちゃ遊べるじゃん!!」

 …もうヤダ…。

 ここからすぐに立ち去りたい気分。


「秋谷ってさー、なんか名字木下になったらしいよー?」

「まじでー? うちらの木下君を取った罪は重いし!!  明日から何やってやろうかー?」

< 128 / 244 >

この作品をシェア

pagetop