不器用男子
 次の日、みんなの朝ご飯をいつもより1時間ぐらい早く作って寮を出た。


 大輔君が温めるぐらいしてくれると思うし、なにより千隼と会いたくなかった。



 千隼のことは忘れよう。


 別れを切り出される前に忘れてやるんだ。



 大好きだったのに…これ以上の気持ちはないと思ったのにそんな気持ちを捨てた私はバカなのかな?






 千隼はあきらめる。


 千隼も早く次の彼女を作って仲良くして……。


 私は、そんなことできない。


 一生1人は嫌だけど、それしかない。


 忘れるんだよ。



 

「へぇ…ふぅ~ん…そっかぁぁ…」


 まったく聞く耳を持たずいちゃいちゃしてる優里と祐武。


 こんな2人に相談にのってもらおうというのが間違ってるんだ。



 まぁ…相談にのってもらうことなんてないし…いいや。


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