不器用男子
 とうとうやってきた卒業式。


 うちの担任は式が始まる前から大号泣。


「ぜんぜぃはぁ…びんながぁ無事にぞづぎょうじでぐれでうれじいぞっ!!」


 あんまり説得力ない。





 式が終わると祐武と優里が私の元へ来た。


「ひなみぃ~! 卒業しても連絡してよね!?」

「あたりまえだよっ!! 毎日してあげる!!」

「ひなみちゃ~ん……元気でね?」

「祐武もね? 今度会うときは少し落ち着いてると嬉しい。」


 

 最後に担任の話。


「ぐずっ…っ…誰か結婚するときは是非先生を式によんでくれよー? で、誰が早そう?」


 急に話逸らし過ぎでしょ…。

「そんなの知ってるでしょー?」


 クラスの中の女子の誰かが言った。

「だな。 婚約してるんだってー? 木下夫婦!!」


 せっ、先生!?


 誰? なんでみんな知ってんの!?


「先生!? 誰から聞いたんですか!?」


「お前の母親だぞ?」



 は?



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