不器用男子
転校してきたのもあるから、道がわからない。
適当にぶらぶら歩いていると、いつのまにか崖っぷちに立ってる私。
「高っ!! いつの間にこんなところまできた?」
下に見える住宅街を見下ろす。
私と同じ虹野高校の制服を着た人がどんどん下の道を歩いてる。
まっすぐ先をみると見える虹野高校。
「あそこだ…。」
そう思って少し低めの崖ところまで歩いてジャンプをして飛び降りた…つもりだったけど、足が滑った。
誰か助けてくれるだろ…。
そう思ってあきらめてた。
けど、下を見下ろすとさっきまであんなにたくさんいた生徒たちがもう高校近くまで歩いていて下には誰もいなかった。
「げっ…!!」
―――――ドッシーンッ
「痛たたたっ…」
尻もちをついた私は遅刻する前に学校に行きたくてすぐに立ち上がった。
すると、目の前には虹野高校の制服ネクタイ。
上を見上げると無表情で私の顔を見ている男の子。
「…いつからいた…?」
ちょっと恥ずかしぎみに聞いてみた。
「崖から落ちてくる前…。」