不器用男子
「千隼君を信じたい?」

「もちろん」


 信じたいよ?


「…ひなみちゃん。 君は、千隼君を信じきれてないって思ってるだろう?」

「え…? あっ、うん」


 見透かされたように真剣な表情でパパは聞いてきた。


 信じきれてないんだよね?


「それは違うな。 ひなみちゃんは、千隼君のことを好き過ぎるんだよ。 自分だけがこんなに好きなんじゃないかって不安なんじゃない?」


 …パパの言うとおりだ。


 いつもどこかで千隼は本当に私のことが好きなのかなって…信じきれてないんじゃなくて不安なんだ…。


 

 千隼は…私のことで不安になるのかな?




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