不器用男子
「うっ…んっ」
重たいまぶたおを開けると、保健室の独特の香りが漂ってきた。
「秋谷さん…目覚めた?」
優しそうなおばさん先生がベットの仕切りのカーテンから顔をのぞかせた。
「…。」
「ねぇ…秋谷さんのお宅、誰もでないんだけど…。どうする?」
たぶん先生は、1人で帰るどうかを聞いてるんだ。
学校から寮まで約30分かかる。
「先生…私熱ありますか?」
「ええ…さっき測ったときは、38度だったわ…。」
結構ある…。
帰るのはきついかもね…。
「あの…凌…山崎先輩はいますか?」
凌君だったらOKしてくれそう。
「3年生は全員もうひと教科あるのよね…先生たちも試験中か出張かで…私もこれから出なきゃいけないのよ…。」
「じゃぁ…1人で帰ります。」
「そう…? 大丈夫かしら?」
「はい。 平気です。」