不器用男子
 家に帰って寝室で寝ていると千隼が入ってきた。

 とっさに寝た振りをしてしまった私。


 千隼はそのまま私の隣に腰掛けて私の髪をなでた。

「…なぁ? 何隠してんの?」

 小さい声でそうつぶやいた。


 やっぱりばれてたんだ…。


「深刻なものか? ひなみは全部1人で抱え込むんだから言えよ。」


 私が起きてるって知ってるの?

 目を瞑っているからどんな表情をしているかはわかんないけど…寂しい顔をしているの?


 …ちゃんと話すから待ってて?


 明日にでも話そう…そう決めて眠りに入った。


 朝起きて、朝食を作って千隼を起こした。

 話さなきゃな…。



「千隼…あのね?」

「…?」

 千隼は私ん方に視線を移し私が話しだすのを待っている。


< 242 / 244 >

この作品をシェア

pagetop