不器用男子
「失礼しまーす!!」

 大塚を先頭に俺、凌と続いて保健室に入った。

「しーっ!! 今寝ちゃったのよ…。 体温計挟んだまま。」


 誰のこと言ってんだ?


 そのときタイミング良く体温計の音が鳴った。

「あっ、鳴ったわね。」

 先生がベッドのカーテンを開けた。


 中には少し眉間にしわを寄せて寝ているひなみがいた。


「ひなみちゃん!」

 凌も少し驚いた様子。


 そういえば、最近体調悪そうだったな…。


 今日、休ませればよかった。


「えっ!?」

 急に先生が大きな声を出した。

「何度ですか?」

 凌が先生に聞くと少し遠慮気味に答えた。


「39度4分…。 よくここまでもったわね…。」


 俺は無意識にすたすたとひなみの傍まで歩いた。

「ひなみ熱ですぎ…帰るぞ。」


 そうひなみに声をかけて後ろに背負った。


「俺、鞄持ってくるよー。」

 凌は保健室から出て行った。

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