不器用男子
「なぁ。 木下。 ひなみちゃんとどういう関係?」

 チッ!

 今それどころじゃねーっつの!!


「んでもねー。」

「でも、背負ってるし…ひなみって…。」


 あぁ…めんどくせーな!!

「まぁ…よくわかんないけど、負けないからね?」

 そう俺に告げると大塚も保健室を出て行った。


 俺は、ひなみを背負ったままもう一度教室に戻って自分の鞄を持った。

 凌は女子生徒に囲まれてる。


「木下!! ひなみ大丈夫?」

 えっとたしかひなみの友達。

「たぶん」

「頼んだよ!! ひなみ最近ちょっと寝不足だったし。」

「あぁ」


 あの女。

 ひなみのことよくわかってる。

 ひなみはポケッとしてるから、あんな気の強い奴がいいんだよ。


 そのまま教室を出ようとした。


「千隼くーん!! その女どうしたの? そんな奴置いといてうちらと遊ぼ?」

 なんだよ、邪魔だし。

「千隼!! お待たせ!!」


 俺の後ろに凌も来た。

「ひなみちゃん大丈夫かな?」


「凌君も―!?」

 そう後ろでこそこそ言ってる。

「凌君もそんな奴置いといて遊ぼうよー!!」


 あぁ!!

 邪魔!!

「どけ。 邪魔。」

 そう無表情で言ってやると少しひなみをにらんで走って行った。

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