甘い夜の、願い事。
「んな声出したら、母さんたちが怪しむだろ。」
「ご、ごめんなさい…。」
謝りながらも、振り返って私を見るお兄ちゃんにドキドキしてる。
なんか久しぶりにお兄ちゃんが近くにいる…。
お兄ちゃんは、シャツにジーパン、すごくラフな格好をしてるのに、こんなにカッコよく見えるのは、私の目がおかしいから?
「何か用事があったんじゃないの?」
「あ、うん…あの、あのね、」
心の中で、何度も練習した“私のこと、嫌い?”は、なかなか出てきてくれない。
私が話さないから、気まづい雰囲気になってしまう。
「おっ、お、お兄ちゃんに会いたくて!」