お兄ちゃんは危険な××!

えっ?


私と日菜子は顔を上げた。


だって、今聞こえてきたのは明らかに男子の声で―――


「俺のこと呼んだでしょ、君」


私たちが勉強している机の隣に立っているのは、


「二井くん!?」


だった。


彼はにこにことして、きゅっと日菜子の手を捕まえて握る。


「ちょ、ちょっと二井くん!?」


何やってんの!


私と日菜子は驚いて目を見開いた。


おかしい。

二井くんはこんなことをするような人じゃなかったはず!


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