お兄ちゃんは危険な××!
「何もんもんしてんの?」
隣で玲人が呆れたような顔をしている。
くっそぅこいつめ!
誰のせいで!
……あ!(ピコーン)
「簡単なことじゃん!」
「は?」
私は嬉々として玲人の方に顔を向けた。
「だから、玲人が日菜子の体から出てく方法だよ」
「ほーぉ」
何やってたんだろう私。
そもそもこうなったのはお兄ちゃんが原因なんだよ?
てことは、お兄ちゃんのとこに連れていっちゃえば解決じゃん!
お兄ちゃんならなんとかしてくれる!(はず!)
「却下」
「え?」
ガッツポーズを決めていた私に、玲人が一言そう言って、私はだらんと腕を下ろした。
私、まだなんにも言ってないんだけど……
玲人は腕組みして、片目だけ開けて私を見た。
「お前の考えてることはお見通しだよ。どうせ、俺をあのバカ兄貴のとこに連れていこーってとこだろ」
「あ、当たり前じゃん!」
だって、ほかにどういう方法があるっていうの!?
玲人はオロオロする私を見て、にやりと笑った。
私はなんだか嫌な予感がしてギクリと固まった。