お兄ちゃんは危険な××!
「あのさ、お兄ちゃんっ」
「お前今何言うか忘れかけてただろ」
お兄ちゃんは口をモグモグさせながら半目でちらりと私を見てきた。
うぐっ!
無駄に鋭いやつめ。
私はぎくりとして、それをごまかすように急いでトーストを手にとった。
「て、ていうかさ、何でお母さんにあのビックリ箱渡してるの?お母さんに変なもの渡さないでよ」
お兄ちゃんはカフェオレに口をつけている最中だったから、私の言葉に真っ先に反応したのはお母さんのほうだった。
「あら~、変なものなんかじゃないわよぉ。可愛いわよ」
と部屋の隅に置いてある【目覚まし】を惚れ惚れと眺めている。