お兄ちゃんは危険な××!
ぺろっ、と
舌が私の口の横を掠めていった。
何が起こったのか理解できないでいると、玲人がにっと笑った。
「アイス、ついてたから」
「………っ」
かああっと顔が熱くなる。
な、
なんてことを
なんてことを
お兄ちゃんの顔でっ
金魚みたいに口をパクパクさせて言葉がでない私の頭を、玲人がポンポンと叩いた。
「優絵ちゃん」
「………」
「楽しかったよ、今日。ありがとうな」
「え、気持ち悪い」
「なんでそこで声出せんだ」
ぐっと手に力を入れられた。
「いたたたたっ。ごめんってば、離して!」
「やだね」
玲人はそのままの状態で私の顔を覗き込んできた。
ただ、びっくりしたのは
その表情が優しかったこと。