お兄ちゃんは危険な××!


ぺろっ、と

舌が私の口の横を掠めていった。


何が起こったのか理解できないでいると、玲人がにっと笑った。


「アイス、ついてたから」


「………っ」


かああっと顔が熱くなる。



な、

なんてことを


なんてことを

お兄ちゃんの顔でっ


金魚みたいに口をパクパクさせて言葉がでない私の頭を、玲人がポンポンと叩いた。


「優絵ちゃん」


「………」


「楽しかったよ、今日。ありがとうな」

「え、気持ち悪い」


「なんでそこで声出せんだ」


ぐっと手に力を入れられた。


「いたたたたっ。ごめんってば、離して!」


「やだね」


玲人はそのままの状態で私の顔を覗き込んできた。


ただ、びっくりしたのは


その表情が優しかったこと。


< 147 / 266 >

この作品をシェア

pagetop