お兄ちゃんは危険な××!

玲人の後ろに見えるのは、赤くなった夕焼けの空。


オレンジ色の夕日があたりを満たしてる。


みつめられるままに、私は玲人を見上げていた。


「そうだ、これ」


玲人が思い出したようにポケットを探り出した。


取り出したのは、ピンクのうさぎ。


UFOキャッチャーでとったやつだ……


「やるよ。今日のお礼」


ちょこんと手のひらの上に乗せられたらうさぎを見つめた。


「あ…りがと…」


とても顔はあげられない。


だって、見られてる。


あの顔で……


「俺、もう満足だ。お前じゃつまんねーとか思ってたけど、結構楽しかったよ」


「……わたしも楽しかった」


いっぱいハラハラしたし、イライラしたけど

今はこんなにドキドキしてる……



どういうこと?夕日マジック?



思い切って顔をあげると

案の定、優しい顔に視線がぶつかった。


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