お兄ちゃんは危険な××!

「玲……」


「じゃあ、俺もう行くわ」


「えっ」


ぽんぽん、と私の頭を軽く叩いて、玲人の手が離れていった。


「そんな悲しそうな顔するなよ。」


「…してないもん。玲人なんかに、するわけないじゃん」


「あっそ」


ふいっと目を逸らした私に、玲人がため息をついた。



するわけないじゃん。


…そりゃ、ちょっとだけさみしい気もするけど。


これは例えれば、最後の一枚の美味しいクッキーを食べる直前みたいな感じだもん……


なんて例えを頭の中で出していると、玲人に読まれたのかほっぺを抓られた。


「最後に、ひとつだけ」


「なに?」


玲人がほっぺを抓ったまま、私を真っ直ぐ見つめた。


「キス、してもいい?」


「……キ……?」



kiss?


「うん」


「えええっ!」


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