お兄ちゃんは危険な××!
お兄ちゃんは私が心の中でしらけているのも気づかないで、見事に演技を続けている。
俳優でも目指したら?
って感じだよ。
「優絵、今日はわがまま言わずに一人で帰れよ」
そう言い捨てたお兄ちゃんがさっさと三年の教室に行き始めると、佐伯さんたちも追いかけるようにして階段を上がっていった。
「………」←私
お兄ちゃんが一人で帰ればいいじゃないよぉ……
せいぜいみんなの前では変人ってバレないように頑張って格好つけてなよっ、この猫かぶり!
あれ?
あれって猫かぶり?
猫かぶりってのはいい子のふりするんだっけ??
なんかわかんなくなっちゃった、教室行こ。
はぁとため息をついて、もんもんとした気分のまま教室に向かった。