お兄ちゃんは危険な××!
教室に入ると、誰かが私の席にまるで自分のもののようにちょこんと座っていた。
「おはよう優絵ちー。今日もお疲れ~。窓から見てたよ」
この歳でツインテールを揺らしているたれ目ぎみの女の子がふよふよと手を振ってきた。
「おはよう日菜子。ところでなんで私の席に座ってるの?」
「ややっ?ほんとだ~間違えちった」
てへへと言いながらノンビリと私の後ろの自分の席に移動した。
日菜子はかなりの天然な女の子。
いつもほんわりしていて目が離せない。
「あっ、優絵ちー!優絵ちーのお兄ちゃんが校庭にいるよっ」
鞄を机の上に置いていると、日菜子が嬉々として窓の外を指差し、私もそちらに目をやった。