お兄ちゃんは危険な××!
「俺自ら試したいけど、今は監視だから無理だろ。仁井に優勝させたくはないし。ということで優絵、お願いだ」
「そんなお願い聞きません」
頼みこんでくるお兄ちゃんに、小瓶を突き返してぷい、と顔を背けた。
それでもお兄ちゃんはあきらめず、真剣にわたしに薬を勧めてくる。
「大丈夫、死なないから」
「信用できるか!」
「隙あり!」
「……!」
間一髪で口を閉じた。
あやうく薬を口の中に放り込まれるところだった。
「いいから。口を開けろ」
無理矢理わたしの口に薬をねじ込もうとしてくるから、そうはいくかと唇をきつく引き結んだ。