お兄ちゃんは危険な××!
「飲んでくれなきゃチューするぞ」
「……」
してほしい、と思って一瞬思考が飛んだわたしの脇腹を、お兄ちゃんがくすぐってきた。
「きゃは、んぐ」
しまった、と思ったときにはもう喉の奥に違和感を感じた。
悔しさと恐怖で涙目になりながらお兄ちゃんを見上げると、お兄ちゃんは爽やかな表情をしていた。
くそ!
睨みつけていると、お兄ちゃんは時計をちらりと見て、青ざめるわたしの腕を引っ張って会場に戻った。
休憩時間はそろそろ終わりらしく、生徒がだるそうにしながらちらほら戻ってきている。
仁井くんはとっくに席についていて、わたしの顔を見ると心配そうな表情になった。