お兄ちゃんは危険な××!
「須藤さん、顔色悪いけど大丈夫?」
「大丈夫だから。お前は黙ってろ」
喋る気力がないわたしの代わりに、お兄ちゃんが仁井くんを一喝した。
大丈夫じゃないよ。
誰のせいだと思ってるのよ。
腹を立てながら席につくと、先生が開始の合図を出してきて皆課題を解き始めた。
お兄ちゃんが去り際にまた、わたしの耳元で囁いてきた。
「優秀賞とりたいんだろ。頑張れよ」
そう言って、もぐら叩きにくり出していったお兄ちゃんの背中を、目をまるくして見送った。
お兄ちゃん、知ってたんだ…。
わたしが優秀賞とりたいって思ってたの。
もしかして、わたしのために?