お兄ちゃんは危険な××!

「まぁ……そうなんだけど、ね?」


だーい好きかどうかは、ともかく。


血が繋がっていないことは長い付き合いだからさすがの日菜子も知っている。

私は素直に頷いた。


「好きって言わないの?」


日菜子がかくん、と首を傾げて聞いてきて、私はフルフルと首を横に振った。


「いいの。このままでいい。日頃さんざんバカだのアホだの変人だのって言ってるのに、告白なんかできないよ」


私がそう言うと、そんなもの?と言ってきたのでそんなもの、と返した。


「それに……今まで兄妹やってきたんだもん。この関係が壊れちゃったりしたら…怖い」


私は日菜子に言っているのか何なのか、そう言って校庭のお兄ちゃんを見た。



第一、この『好き』がどこからきているのかわからない……


お兄ちゃん以外を好きになったことがない私には、恋なのかそうじゃないのか、わからないんだよ……



「はーい、授業始めます」


うるさい国語の先生がやってきて、私はあわてて教科書を引っ張り出した。




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