お兄ちゃんは危険な××!

―――――
――――――――


「弁当忘れた」


そんな理由で一年の教室まで来たお兄ちゃん。


クラスの女の子たちがキャーキャー騒いでいる。


「知らないよ……」


私は眉を下げて窓から私を訪問しているお兄ちゃんを見上げた。


うっ、クラス中からめちゃめちゃ注目されてる。


大体、私にどうしろって言うの?


「財布も忘れたんだ」


「貸さないよ?」


目の前にいる、家にいるときとは違うお兄ちゃんに危うくトキメキそうになりながら断った。


妹なら手を差し伸べてやるべきなんだろうけど、今の私には無理。


なぜなら

< 22 / 266 >

この作品をシェア

pagetop