お兄ちゃんは危険な××!
茫然と見送っていると、お兄ちゃんはドアノブに手をかけたところでくるりと振り返った。
「それと、今のはただの風邪薬だから。心配しなくていーよ」
「へ」
にこっと手を振って、お兄ちゃんはドアの向こうに消えていった。
ドアの閉じられた音が部屋の中に響く。
部屋の中に一人取り残されてたっぷり10秒間後、ぼっと火がついたように顔が熱くなった。
いいいまのは何!?
なんか、わたし、ものすごいことされたような……っ!!
ただの風邪薬でよかった……っていうか
く、口移し!?
起こった出来事が頭の中でくるくる回り、唇に手を持っていった。