お兄ちゃんは危険な××!
「須藤先輩」
あきらめて渋々お弁当を取り出していると、後ろから声がかかった。
この声は……
「二井」
素早くキャプテンモードに戻ったお兄ちゃんが言った。
二井健太くん。
サッカー部に入ってる、お兄ちゃんの後輩であり私のクラスメイトでもある男子。
黒髪サラサラヘアーの整った顔立ちで、性格も極上にいい人だから男子女子関わらず人気がある。
「弁当忘れたんだったら、このパンもらってくれませんか。買いすぎちゃって」
二井くんはそう言いながらコンビニの袋を差し出してきた。
お兄ちゃんは悪いな、とか言いながらすんなり受け取っている。