お兄ちゃんは危険な××!


「かわいいカメちゃん。これおもちゃ?」


にっこりと笑顔を向けてきたのは


「佐伯先輩……」


だった。

お兄ちゃんは腕を組み、疲れたようなため息を吐く。


「そう。優絵のおもちゃ。全く、学校に変なもの持ってくんなよ」


はああ!?

わたしのじゃないし!


何勝手に人のものにしてるわけ!?


キリキリとお兄ちゃんを睨みつけていると、佐伯先輩はわたしにカメを差し出してきた。


「優絵ちゃんの? せっかくかわいいカメちゃんなのに、投げちゃだめよ」


「……っ」


ぷい、とそっぽを向いて、差し出されたカメを拒んだ。


「いりませんっ。大体それ、お兄ちゃんがつ……、昔くれたものだし!」


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